昨日、昇降口でミイを引き取ってくれた人は、間違いなく教頭先生でした。
夕方、担任の先生とも電話で話すことができました。少し遅れて教室へ入ってきたミイは、泣きはらした顔をしていたそうです。気にはなったけれど、先生は「よく来たね」と声をかけただけで、それ以上の追及はしなかったそうです。ミイの性格上、その方がありがたかったと思います。その後、ミイは夏休み前と同じように友達と楽しそうに過ごしていたと聞き、安心しました。
学童にお迎えに行ったとき、ミイはすっかりいつもの調子を取り戻していました。「お迎え早いよ。もっと遅く来て!」これもお決まりの言葉。
帰宅後も朝のことは触れずにいたのですが、しばらくすると自分から「学校楽しかったよ」と言ってきました。「そう、楽しかったの。よかったよ。どんなことが楽しかった?」と返すとミイは、「あのね、Sくんがね、変な顔してくるの。こーんなの!」とケタケタ笑いながら、S君の変顔をまねて見せました。S君は、以前からミイの話によく出てくる男の子です。
学校生活の楽しさを左右するのは、案外たった一人の存在だったりします。もしもS君が、泣き顔をひきずっているミイを笑わせようとして変顔をしてくれたのなら、S君ってとても素敵な子だなと思いました。そうでなくとも、ミイが今日を楽しいと思えたことの一番にS君が出てくるのだから、私はまだ会ったこともないS君に心から感謝しました。ナイスS!
それからミイは、こんなことを言いました。「学校が楽しいってこと、.忘れてた。だって夏休み長すぎるんだもん!」ですって。今朝の出来事を自分で擁護するような、そんな言い方でした。
思い出してくれて良かったよ。私が今日一日どれだけ心配して、己の言動を振り返っていたか、あなたは知らないでしょう。そうだよ、学校は楽しい場所だよ。勉強つまらなくっても、勉強以外の学びもたくさんある場所なんだから。
私はドッと疲れましたが、おかげで先生とも話ができたし、よかったのかもしれません。以前の私なら、学校に電話するなんてうるさい親と思われそうでできなかったのですが、小学校教諭をしている友人に「全然していいんだよ!むしろしてくれた方がいい!」と言われたことがあり、今は敷居低く、気になることがあればするようにしています。通話時間たったの3分でも家と学校の娘の様子が共有できると、ずいぶんと気持ちは軽くなります。また、一人で(夫婦で)抱え込まないで良いと思えるようになったら、とても気が楽になりました。
さて、今朝のミイは颯爽と家を出ていきました。10分前には準備を済ませ、「行ってきます」と少々かしこまった様子で。昨日の「いやいや」スタートを自分で仕切り直した娘の成長を感じずにはいられませんでした。と、玄関に水筒を忘れており、土砂降りの中追いかける羽目になりましたが、それでもとびきり嬉しい朝でした。
この調子でいってくれることを願いつつ、そうはいかないだろうと覚悟もします。なんでしょうかね、この期待と不安の入り混じった複雑な感情。それでもきっとこの子なら大丈夫と理屈抜きで信じる気持ちが大きいのだから、母親って不思議なものです。
今日のミイは、どんな話をしてくれるのでしょう。